小豆島の宿

おへんろ宿

お遍路さまが宿に着きますと　先ず金剛杖（お大師様）を洗い清めます　菅笠と部屋の床に置きます　朝夕の食事前お大師様に勤行をします　出立の時には門先で一夜の安らぎを感謝して勤行をして　宿の方にお礼を申し出立します

昔　各集落におへんろ宿がたくさんありました　10名から20名ほど泊まれる宿です　通信事情の悪い時代です　
宿泊予定した日に先乗り先達様が人数とか部屋割りを連絡してきます　それから食事・寝具の手配になりますが人員の変更が大きいと急ぎ近所の民家から布団を借りたり　布団部屋で寝るのは良いほうで畳一畳に二人寝たこともあったと伝えています　お昼弁当はそれぞれ朝食のご飯を弁当行李に詰め持って行った　
団体も増え宿での混乱トラブルが増え予約して帰るようになり　それが固定化しそれぞれの団体参拝の日程が決まっていった　
昭和29年小豆島を舞台にした映画「二十四の瞳」が人気になり　観光客・お遍路様が増えてきました　自動車を利用しての巡拝遍路さんが増えていきました　

へんろ宿も大型の近代建築に変わりました　おへんろ巡拝の形は変わりませんが　宿泊状況は現代風に変わりました　
お遍路さんは毎年　毎年同じ日にちにお参りします　なじみのお遍路様と宿の方は　お互いお参り出来る　元気で再会出来たことを喜んでいます　変わらぬいつもの微笑ましい光景です　
近年は自動車巡拝が増え　土日祝日を入れた巡拝日程に変わってまいりました